ハロー・ワールド!おもちゃ大好きエンジニアの大之助( @daivoy_x)です!
パソコンやタブレットを使わないタイプのプログラミングおもちゃは多数ありますが、プログラミングの基本処理である分岐処理と反復処理ができないものが多いです。
ですが、「Apitor Robot Panda」は距離センサーで物体を検知して避けたり、命令を繰り返したりできる高機能なロボットです。
というわけで本記事では、「Apitor Robot Panda」の基本的な使い方から類似品との比較、Apitor Robotシリーズの比較、ネット上の口コミについて、エンジニア目線でレビューしていきます!
- デバイス不要(スクリーンレス)
- プログラム設計部品が付属
- プログラムを考える作業と作る作業が別
- 3つの基本処理を全て可能
- マップが2枚付属
- 反復処理の仕様がイマイチ
- マップのサイズが大きい
Apitor Robot Pandaの基本情報
「Apitor Robot Panda」は背中の矢印ボタンを操作して、スタートからゴールまで進むようにプログラミングするロボットカーです。
| 商品名 | Apitor Robot Panda |
| メーカー | Apitor Technology Co., Ltd. |
| ブランド | Apitor |
| 参考価格(税込) | 7,999円 |
| 対象年齢 | 4歳以上 |
| 使用電池 | 単3電池×3本(別売) |
| 必要な工具 | ドライバー(電池ボックス開閉用) |
| 可能な基本処理 | 順次/分岐/反復 |
| 教材 | 問題集(12問) |
| マイコン | オリジナル(付属) |
| 入力装置 | 距離センサー |
| 出力装置 | モーター×2、スピーカー、LED×2 |
| 音量調整 | 不可 |
| マップ/コース | 6×6マス、10×5マス |
| デバイス | 不要 |
| プログラミング方法 | アンプラグドプログラミング(本体のボタン操作) |
| 命令の種類 | 7種類(前進、後退、右回転、左回転、物体検出、反復、アクション) |
| 最大可能命令数 | 64 |
このおもちゃでできること
できることは下記のような「ロボットカーを移動させるプログラミング」です。
- スタートからゴールまで進むためのプログラミング
- 問題集に沿ってプログラミング
- 距離センサーで障害物を検知するプログラミング
タブレットやパソコンを使わないプログラミングおもちゃで障害物検知ができるのはかなり高機能です!
Apitor Robot Pandaの内容物
まずは、パッケージから。コンパクトです。
内容物一覧です。本体と命令カード、説明書です。
主要なパーツを説明しますね。
本体のロボットカーです。パンダにみえますね。
ちなみに、目はカラフルに光ります。
後ろから。
上から。操作ボタンとスピーカーがあります。ボタンはシンプルなので4歳のお子さんから遊べます。
遊ぶには単3電池×3本(別売)が必要です。また、電池蓋を開けるにはプラスドライバーが別途必要です。
そして、ペットボトルと比べるとこんな感じです。
マップです。この上でプログラミングします。82cm×82cmです。また、裏面は枠線だけあるので自由にマップを作れます。
そしてもう1枚、五十音マップが付属します。128cm×77cmです。
命令カードです。ロボットをプログラミングする前にどういうプログラムを作るか考える際に使います。
問題カードです。スタートとゴール、中継地点が描かれています。また、裏には解答例が載っています。
説明書は詳しく書いてあってわかりやすいです。それに図も多いです。
Apitor Robot Pandaの遊び方・レビュー
このおもちゃでは、プログラミングの概念である
- ① 人間が事前に命令を考える
- ② 人間がコンピュータに命令をする
- ③ コンピュータが命令を実行する
を体験することができます。
プログラミングはリモコンカーやビデオゲームと違い、ロボットを自分で操縦するわけではありません。ロボットに事前に命令をしておけば、ゴールまで勝手に進んでくれるというものです。
どこにプログラミング要素があるのか解説しながら、遊び方を説明しますね。
基本的な遊び方
1.スタート位置とゴール位置を決める
まずは問題カードを参考にスタート位置とゴール位置を決めます。
2.通り道を決める
どのように進むか考えます。通り道が複数考えられる場合はどの通り道が最適か考えるとプログラミング的思考力が養えますよ。
3.ロボットに出す命令を考える
命令カードを並べながらプログラムを考えます。これがプログラミングの「①人間が事前に命令を考える」作業です。
4.ボタンを押してプログラミングする
3.で考えた命令カードの順番通りに本体のボタンを押しましょう。これがプログラミングの「②人間がコンピュータに命令をする」作業です。
5.コースを走らせる
いよいよ、決定ボタンを押したらプログラムが動き出します。これがプログラミングの「③コンピュータが命令を実行する」作業です。
応用的な遊び方
もう少し、他の機能も紹介します。
- 物体検出機能
- 反復機能
- アクション機能
- アプリでシミュレーション
それぞれ解説します。
物体検出機能
物体検出機能は本格的な挙動をします。動画にしてみました。
反復機能
反復機能は指定された命令を指定した回数繰り返す命令です。
アクション機能
アクションボタンを押すとあらかじめ設定された動作を行います。
アプリでシミュレーション
実はアプリ画面だけでロボットカーをプログラミングして遊べます。
Apitor Robot Pandaの口コミ・デメリット
ネット上の口コミを探しましたが見つかりませんでした。発売して間もないからでしょう。なので、私が感じたデメリットを詳しく解説します。
- ループ処理の仕様がイマイチ
- マップがもう少し小さいとうれしい
それぞれ解説します。
ループ処理の仕様がイマイチ
同じシリーズの「Apitor Robot Wheels」のレビュー記事にも書いたのですが、複数の命令を繰り返す「ループ」処理の仕様が直感的じゃないです。
ループ命令を使うと例えば次のような挙動になります。
ですが、私は下記のほうが直感的だと思うんですよね。
ちなみに、この命令はループ(反復)と書いてありますが、どちらかというと関数に近いです。
マップがもう少し小さいとうれしい
本商品にはマップが2枚付属するのですが、テーブルの上で遊ぶにはちょっと大きいです。床で遊ぶ前提です。
たぶん、小さなお子さんはマップの上に乗らないと奥まで手が届かないんじゃないかなと。
Apitor Robot Pandaのメリット
私がエンジニア目線でいいなと思ったところは次のとおりです。
- デバイス不要(スクリーンレス)
- プログラミング的思考力を養いやすい
- プログラムを考える作業と作る作業が別
- 分岐処理・反復処理が可能
- マップが2枚付属
それぞれ解説します。
デバイス不要(スクリーンレス)
パソコンやタブレットを使わないでプログラミングできるので、小さなお子さんでも安心してプログラミング学習に使えますね。
プログラミング的思考力を養いやすい
事前に考えた動きと実際の動きが一致するとプログラミング的思考力を養いやすいです。
このおもちゃは迷路がマス目になっており、ロボットは直角に曲がることができるので、どのコースを通るか考えやすいです。
そういう意味では類似のおもちゃよりプログラミング的思考力を養いやすいです。
プログラムを考える作業と作る作業が別
プログラムを考える作業とプログラムを入力する作業を分けてあるのは、「わかってるな」という感じです。
分岐処理・反復処理が可能
パソコンやタブレットを使わないおもちゃで、分岐処理と反復処理ができるのはかなりポイントが高いです。
というのも、世の中のプログラムはすべて、下記の3つの処理の組み合わせでできています。
- 順次処理・・・決められた順番に命令を実行する
- 分岐処理・・・条件によって命令を分岐する
- 反復処理・・・同じ命令を指定する回数だけ繰り返す
パソコンやタブレットを使わないおもちゃの多くは順次処理のみなので、このおもちゃは優秀です!
マップが2枚付属
本キットにはマップが2枚も付属します。しかも、1枚は五十音表です。
五十音表を購入予定の方はプログラミングもできる本キットを買うと一石二鳥です!
Apitor Robot Pandaと類似品の比較
デバイスを使用せず、車をプログラミングするタイプのおもちゃ比較です。
問題集は若干少ないものの、価格や分岐処理、反復処理ができる点など、多くの面で「Apitor Robot Panda」は勝っています。
このタイプのプログラミングおもちゃを探しているなら「Apitor Robot Panda」は全然ありです。
| 商品名 | Apitor Robot Panda |
ボットリー コーディングロボット アクティビティセット |
ロボットマウス コーディング アクティビティセット |
| メーカー | Apitor Technology Co., Ltd. | LearningResources Ltd. | LearningResources Ltd. |
| 参考価格(税込) | 7,999円 | 13,200円 | 11,880円 |
| 対象年齢 | 4歳以上 | 5歳以上 | 4歳以上 |
| プログラミング方法 | 本体のボタン操作 | リモコンのボタン操作 | 本体のボタン操作 |
| 教材 | 問題集(12問) | 問題集(10問) | 問題集(20問) |
| マップ/コース | ・6×6マス ・10×5マス |
付属品で自由に作成 | 付属品で自由に作成 |
| 音量調整 | 不可 | 可能(OFF/小/大) | 不可 |
| 命令の種類 | 7種類 (前進、後退、 右回転、左回転、 物体物検知、反復、 アクション) |
6種類 (前進、後退、 右回転、左回転、 物体検知、反復) |
5種類 (前進、後退、 右回転、左回転、 アクション) |
| 最大可能命令数 | 64 | 80(120まで拡大可) | 40 |
| 可能な基本処理 | 順次/分岐/反復 | 順次/分岐/反復 | 順次/ |
| 特徴 | 五十音表が付属 | 物体検出が可能 | コースを作りやすい |
関連「ボットリー コーディングロボット アクティビティセット」の詳細レビューはこちら
関連「 ロボットマウス コーディングアクティビティセット」の詳細レビューはこちら
Apitor Robotシリーズの比較
Apitor Robotシリーズは全11種類あります。全種類まとめは下記の記事をご覧ください。
ここでは、その中でも同時期に発売された未就学児向け商品を比較します。概要は下記のとおりです。
| 商品名 | Apitor Robot Bear |
Apitor Robot Panda |
Apitor Robot Wheels |
| 参考価格(税込) | 5,999円 | 7,999円 | 9,999円 |
| 対象年齢 | 3歳以上 | 4歳以上 | 5歳以上 |
| 可能な基本処理 | 順次/ |
順次/分岐/反復 | 順次/分岐/反復 |
| 教材 | なし | 問題カード12枚 | 問題カード12枚 |
| センサー類 | なし | 距離センサー | 距離センサー |
| 命令カード | なし | あり | あり |
| タブレット/スマホ | 不要 | 不要 | 不要 (ただし、利用可能) |
| プログラミング方法 | 本体のボタン操作 | 本体のボタン操作 | ・本体のボタン操作 ・Scratch Jr. |
| リモコン操縦 | 不可 | 不可 | 可能 |
Bearは最低限の内容で問題カードすら付属しません。なので、自分でスタートとゴールを決めて遊ぶ必要があります。
Pandaは問題カードも付属しますし、障害物を検知できる距離センサーもあります。パソコンやタブレットを使わないタイプでセンサーがあるのはかなり珍しいです。
WheelsはPandaにタブレットでプログラミングできる機能を加えた最上位モデルといった感じ。なので、未就学児のお子さんから小学校中学年くらいのお子さんまで長く遊べます。
上記を簡単にまとめると下記の通り。
Apitor Robot Pandaをおすすめできる人
「Apitor Robot Panda」はまだパソコンやタブレットを使わせたくないけど、本格的なプログラミングを学びたい未就学児から小学校低学年までのお子さんにおすすめです。
結論:一石二鳥のロボット
本記事は「Apitor Robot Panda」をエンジニア目線でレビューしました。
距離センサーで物体検出ができるのは高機能で良かったです。しかも、五十音表も付属するので一石二鳥のロボットでした。
これからの時代、プログラミングは必須スキルです。ぜひ、お子さんが子供の頃からプログラミングを体験させてあげてくださいね。
- デバイス不要(スクリーンレス)
- プログラム設計部品が付属
- プログラムを考える作業と作る作業が別
- 3つの基本処理を全て可能
- マップが2枚付属
- 反復処理の仕様がイマイチ
- マップのサイズが大きい
▼おすすめプログラミングおもちゃまとめ(年齢別)



